【Sakana.AI】David Ha氏の論文解説【さかなAI】

専務ワン太
8 Nov 202314:17

TLDR今回、David Ha氏が昨年発表した論文「軍知能」について解説しました。論文では、AIが環境変化に柔軟に対応するモデルを目指す魚群の原理からインスピレーションを得ています。また、セルラーニューラルネットワークの復興と、画像処理や強化学習への応用、マルチエージェント学習、メタ学習など、AIの新たな可能性を探求しています。David Ha氏と元Googleのリオンジョーンズ氏が立ち上げた「魚AI」は、自己組織化と柔軟なAIの実現を目指していますが、理論から実用レベルまでにはまだ時間がかかると見ています。

Takeaways

  • 😀 大型言語モデルの現状:現在使われる機械学習システムは、環境に適応しない固定された方法を用いており、自然システムとは異なる。
  • 🤖 魚AIの目標:環境変化に柔軟に対応できるモデルを目指し、魚の群れ行動からインスピレーションを得ている。
  • 🧠 セルラーニューラルネットワーク:1980年代に開発された、集団知能に近い人工ニューラルネットワーク。
  • 🌟 集団知能の活用:画像処理や3Dデータの復元において、セルラーニューラルネットワークの考え方が応用されている。
  • 📈 強化学習の進化:セルラーニューラルネットワークを用いた強化学習は、個々の学習者が集団の目標に合わせて行動を学習する。
  • 🔄 マルチエージェント学習:多数のエージェントが相互作用し、集団で学習し最適な行動を発見する。
  • 🎓 メタ学習:システムが特定のタスクを実行するように組み込まれるのではなく、何を学習すべきかを自ら学習する。
  • 🌐 AIの未来:自分自身を複製、修復、変更できるAIが実現された場合、どのような世界になるのか懸念視する。
  • 🔍 研究の課題:理論的なものから実践的レベルまで引き伸ばすには、まだ多くの課題があると指摘している。

Q & A

  • 「さかなAI」とはどのような企業ですか?

    -「さかなAI」は、元Googleのリオンジョーンズ氏とデイビッドハーシ氏が日本で立ち上げた新たなAI企業です。彼らは魚の魚群から着装を得た単純なルールから環境変化に適応する柔軟なモデルを目指しています。

  • デイビッド・ハーシ氏の論文で取り上げられている「集合知性」とは何ですか?

    -「集合知性」とは、多くの個人の相互作用、協力、共同作業、競争などから生まれる共有知性です。個々のエージェントが自分だけの利益ではなく、全体の目標に合わせて行動を学習する構造を指しています。

  • セルラーニューラルネットワークとは何ですか?

    -セルラーニューラルネットワークは、各ニューロンが隣接するニューロンとのみ相互作用できる人工ニューラルネットワークの一形態です。1980年代に開発され、自然のセルの集団行動に近いモデルを提供します。

  • 画像処理においてセルラーニューラルネットワークがもたらす利点は何ですか?

    -セルラーニューラルネットワークは画像処理において、隣接したセルから情報を得ることでノイズに強い復元能力を持つこと、また3Dデータにおいて周囲から情報を得て不完全なデータを補うことができます。

  • 強化学習におけるセルラーニューラルネットワーク的アプローチとはどのようなものでしょうか?

    -セルラーニューラルネットワーク的アプローチでは、エージェントの各部分が個々の学習者となり、隣接する部位から情報を得て最適な行動を学習します。これにより、個々の部分が全体の目標に合わせて自己組織化し、形を変えながら目標を達成します。

  • マルチエージェント学習とはどのようなものですか?

    -マルチエージェント学習は、多数の学習者エージェントが相互作用し合いながら学習するアプローチです。これにより、個々のエージェントが自分だけではなく、全体の目標に合わせて行動を学習し、柔軟なシステムを構築できます。

  • メタ学習とはどのようなものですか?

    -メタ学習は、システムが特定のタスクを実行するように組み込まれる前に、どのような学習が最適かを学習するプロセスです。これにより、システムは新しいタスクに対して素早く高い学習能力を発揮できるようになり、多様なタスクに対応できるAIを目指します。

  • 「さかなAI」の目標はどのようなAIを目指していますか?

    -「さかなAI」は、環境変化に適応する柔軟なモデルを目指しています。これは、自然の集団行動に見られるような自己組織化された、状況に応じて形を変える能力を持つAIです。

  • セルラーニューラルネットワークはなぜ現在主流ではなくなりましたか?

    -セルラーニューラルネットワークは扱いが難しく、現在の機械学習モデルよりも明らかに複雑でハードウェアの制作も難しかったため、一時的に姿を消しました。しかし、その考え方は現在もディープラーニングの研究に大きな影響を与えています。

  • 「さかなAI」が目指すAIが完成するとどのような変化が起きますか?

    -「さかなAI」が目指すAIが完成すると、自己複製、自己修復、自己変更が可能なAIが誕生し、人類の活動に大きな影響を与える可能性があります。それは楽しみでもあり、恐ろしい未来像とも言えるでしょう。

Outlines

00:00

🐟 Introduction to Fish AI and Collective Intelligence

The video begins by addressing the lack of new information in a recent news article about Fish AI, which is essentially unchanged from two months prior. The presenter expresses a desire to introduce a paper on military intelligence written by David Hahs, which is believed to have been written last year. The video aims to clarify what kind of AI Fish AI is attempting to create. Fish AI, named after the collective behavior of fish schools, is an AI enterprise co-founded by former Google employees, including David Hahs, who is one of the authors of the influential 'Attention Is All You Need' paper. The goal of Fish AI is to develop a flexible model that adapts to environmental changes, inspired by the simple rules of fish schooling. The presenter also discusses the limitations of current AI systems like ChatGPT, which are designed to be unchanging and unresponsive to environmental changes, unlike natural systems that are sensitive to their surroundings and exhibit collective intelligence.

05:02

🤖 Incorporating Collective Intelligence into Deep Learning

The video then delves into the concept of incorporating collective intelligence into deep learning. It mentions that while deep learning models like ChatGPT are powerful, they lack the adaptability seen in natural systems. The presenter introduces the idea of Cellular Neural Networks (CNN), which were developed in the 1980s and are similar to the human brain's structure, allowing for complex interactions between neurons. CNNs were overshadowed by the rise of GPUs and the simplicity of deep learning models, which rely on simple computations repeated at high speed. The video suggests that incorporating the principles of CNNs could lead to more adaptable AI systems. Examples include image processing, where CNNs can predict colors based on adjacent pixels, making the system robust against noise and capable of image regeneration even with damaged data. The concept is also applicable to 3D data, allowing for the reconstruction of accurate 3D models from sparse and incomplete point clouds by leveraging information from surrounding data.

10:03

🧠 Advanced AI Research and Meta-Learning

The final paragraph discusses advanced research in AI, including the use of collective intelligence in deep reinforcement learning and multi-agent learning. It explains how traditional reinforcement learning involves training a single agent, like a character in a video game, to achieve a goal through trial and error. In contrast, collective intelligence-based learning involves multiple agents learning from each other, adapting their actions to achieve a common goal, much like cells in a multicellular organism. The video also touches on multi-agent learning platforms like Neural MMO, which allow for the observation of learning behaviors in a large number of agents competing for limited resources. Lastly, the presenter introduces meta-learning, which is about training the system to learn. Meta-learning aims to create AI systems that can quickly adapt to new tasks without needing to be retrained from scratch, potentially leading to the creation of AI that can think and learn independently.

Mindmap

Keywords

💡AI

人工知能(AI)とは、人間のように思考や学習を行えるように設計されたシステムのことです。このビデオでは、AIがどのように高度に進化し、環境に適応する柔軟なモデルを目指しているかが説明されています。特に、自然の集団行動からインスピレーションを得たAIの開発が強調されています。

💡魚AI

「魚AI」とは、自然の魚群の振る舞いからインスピレーションを得たAIの開発を指しています。ビデオでは、このアイデアに基づいて、環境変化に柔軟に対応できるAIの開発が目指されていると述べています。

💡セルラーニューラルネットワーク

セルラーニューラルネットワークは、各ニューロンが隣接するニューロンとのみ相互作用する人工ニューラルネットワークの一形態です。ビデオでは、このネットワークがどのように自然の集団行動を模倣し、柔軟なAIの開発に貢献する可能性があるかが議論されています。

💡トランスフォーマー

トランスフォーマーは、ディープラーニング技術の一種で、自然言語処理などのタスクに使用されています。ビデオでは、トランスフォーマーがどのようにAIの学習とシステムの構築に役立つかが説明されています。

💡強化学習

強化学習は、エージェントが環境と相互作用しながら最適な行動を選択するように学習する機械学習の手法です。ビデオでは、強化学習がどのようにAIが特定の目標を達成するために学習するのかが解説されています。

💡マルチエージェント学習

マルチエージェント学習とは、複数の学習者が協力して問題を解決する学習手法です。ビデオでは、この学習がどのようにAIが柔軟な集団行動を通じて環境に適応する能力を獲得するのかが強調されています。

💡メタ学習

メタ学習は、システムが新しいタスクに素早く適応する学習の学習を指します。ビデオでは、メタ学習がAIに多様なタスクをこなせる能力を与えるためにどのように重要であるかが説明されています。

💡自己組織化

自己組織化とは、システムが外部からの指示なくして内部から秩序を整える能力です。ビデオでは、自己組織化がAIが環境変化に柔軟に対応し、新しい状況に適応するのにどのように役立つかが議論されています。

💡集団知性

集団知性は、個々の単体が相互作用することで生じる知的機能です。ビデオでは、集団知性がどのようにAIの柔軟性と適応性に貢献するのかが解説されています。

💡ディープラーニング

ディープラーニングは、多层のニューラルネットワークを使用してデータから学習する機械学習の手法です。ビデオでは、ディープラーニングがAIの学習過程においてどのように役立つかが説明されています。

Highlights

2ヶ月前のニュースと変わらない情報が経済新聞で報じられたが、新たにデイビッド・ハー氏の論文が取り上げられた。

魚AIの背景説明:元Googleのリオン・ジョーンズ氏とデイビッド・ハー氏が日本で新たなAI企業を立ち上げた。

魚AIは魚群から着想を得た柔軟なAIモデルを目指している。

現在の大規模言語モデルは変化に対応しないシステムと同様であるとハー氏は指摘。

自然界では自己組織化による適応的なデザインが見られる。

集合知をAIに取り入れるためのシステム構築に関する議論。

1980年代に開発されたセルラーニューラルネットワークが集合知に近いとされている。

セルラーニューラルネットワークは人間のニューロン構造に似ており、相互作用が特徴的。

GPUの出現によりセルラーニューラルネットワークは姿を消した。

ディープラーニングは単純な計算を高速で繰り返すことで学習している。

セルラーニューラルネットワークのアイデアを取り入れたディープラーニング研究が進行中。

画像処理におけるセルラーニューラルネットワークの応用例。

3Dデータの再現においてもセルラーニューラルネットワークのアプローチが有効。

マルチエージェント学習による集合知の獲得。

メタ学習による学習方法の学習とその応用可能性。