世界一わかりやすい!画像生成AIがノイズから画像を作る仕組みを解説(Stable Diffusion)

とうや【AIイラストLab.】
27 Aug 202313:03

TLDRこの動画では、AI画像生成の仕組みについて解説しています。特に、Stable Diffusionという技術に焦点を当てています。AIは、大量のノイズを少しずつ除去することで画像を生成する拡散モデルを使用します。また、テキストと画像を組み合わせるために、CLIPという技術が使われています。CLIPは、テキストと画像の概念を結びつけるAIで、テキストエンコーダーとイメージエンコーダーの2つのモジュールから構成されています。さらに、潜在拡散モデルを使用して、画像を生成する際に計算量を減らすことができます。このプロセスでは、VAEとU-Netという2つの技術が活用されています。VAEは画像空間から潜在空間への変換を行い、U-Netはノイズ除去と画像のセグメンテーションを行います。これらの技術を組み合わせることで、20ステップの処理で鮮明な画像を生成することができます。

Takeaways

  • 📷 生成AI画像は、被写体を必要とせず、イラストやコラージュと類似していると見なすことができます。
  • 🎨 AIで画像を作成することは、既存の著作物をもとに新たな画像を作成する二次的著作物にあたり、著作物の出店と利用者名の明示が義務づけられる可能性がある。
  • 🤖 AIは数十億枚の画像を学習し、個々の生成画像に対処する出典を明示することは困難だが、既存の画像を組み合わせてコラージュを作成するプロセスを経て画像を生成している。
  • 🌐 ステーブルディフュージョンは、テキストと画像を組み合わせることで、ノイズから画像を生成する拡散モデルを使用している。
  • 🔍 画像生成は、大量のノイズの中から望ましい画像を導き出す確率を求めるプロセスに基づいており、これは拡散モデルとも呼ばれる。
  • 📚 ステーブルディフュージョンは、58億枚の画像とテキストがセットになったデータセットを学習に用いており、学習に用いるデータの商用利用には問題がある可能性がある。
  • 📈 CLIPはテキストと画像の概念を結びつけるためのAIであり、テキストエンコーダーとイメージエンコーダーの2つのモジュールから構成されており、テキストと画像が正しいペアであれば類似度が最大化されるように学習している。
  • 🧮 埋め込みベクトルは、テキストや画像を共通の言語で説明するための数値表現であり、コサイン類似度はその類似度を数値化する指標となる。
  • 🔧 ステーブルディフュージョンでは、計算量を減らすために潜在拡散モデルを使用し、潜在空間での処理を通じて画像生成を行う。
  • 🧬 VAE(変分オートエンコーダー)は、画像空間から潜在空間への変換を行い、その逆も可能で、学習によって変換方法が作られる。
  • 🛠️ U-Netは、画像のセグメンテーションとノイズ除去を行うためのネットワークであり、クリップから得られる埋め込みベクトルに基づいてノイズ除去を繰り返すことで鮮明な画像を得ることができる。

Q & A

  • 生成AI画像とイラストやコラージュの違いは何ですか?

    -生成AI画像は、既存の著作物をもとに新たな画像を作成する二次的著作物であり、被写体を必要としない点でイラストやコラージュと類似していますが、直接的な被写体を写す必要がないという点で異なります。

  • 顕著作物の出店と利用者名の明示義務とは何ですか?

    -顕著作物の出店と利用者名の明示義務とは、生成AIを利用して作成した二次的著作物に対して、その出所や利用者の名前を明確に示すことを求める法的要件です。

  • 画像生成AIが学習する際に何十億枚という画像を使わないといけない理由は何ですか?

    -画像生成AIは、個々の生成画像に対して出典を明示することが困難であるため、何十億枚という大量の画像を学習することで、幅広いパターンや特徴を捉え、高精度の画像生成を行うことができます。

  • ノイズから画像を作る拡散モデルとはどのような仕組みですか?

    -ノイズから画像を作る拡散モデルは、ランダムノイズを少しずつ画像に加え、その変化を確率的に記録していくプロセスを拡散過程と呼び、逆にノイズを除去していくプロセスを復元過程と呼びます。

  • ステーブルディフュージョンで使われている潜在拡散モデルとは何ですか?

    -潜在拡散モデルは、画像を潜在空間(ラテントスペース)で処理することで、データの特徴をコンパクトに数学的に表現し、画像生成や特徴抽出を効率的に行うための手法です。

  • テキストと画像を組み合わせるクリップとはどのような技術ですか?

    -クリップは、テキストエンコーダーとイメージエンコーダーの2つのモジュールから構成されており、テキストと画像の概念を結びつけるためのAI技術です。テキストと画像が正しいペアであれば、2つの埋め込みベクトルのcos類似度が最大化されます。

  • 埋め込みベクトルとは何ですか?

    -埋め込みベクトルは、テキストや画像をできるだけ共通の言語で説明するための数値表現です。概念を数値化し、テキストや画像の特徴をベクトルとして表すものです。

  • ユーネットとは何ですか?

    -ユーネットは、画像のセグメンテーションを行って物体がどこにあるかを推定するためのネットワークであり、ノイズ除去にも使われます。元々は医療分野で使われる技術で、2015年に発表されました。

  • VAEとは何ですか?

    -VAEとは、変分オートエンコーダー(Variational Autoencoder)の略で、画像空間から潜在空間への変換を行う手法です。学習によって変換方法が作られ、潜在空間での画像生成が可能になります。

  • スキップ接続とは何ですか?

    -スキップ接続は、画像をバラバラにした前の画像を後段に直接入力することで、位置合わせができるようにする手法です。ユーネットでは、このスキップ接続が使われることで、ノイズ除去の精度が向上します。

  • AIによる画像生成の仕組みについて説明してください。

    -AIによる画像生成は、ノイズから画像を作り上げる拡散モデルを使用し、テキストと画像を組み合わせるクリップ技術と、潜在空間での処理を行うVAEとユーネットを用いて行われます。これらの技術を組み合わせることで、学習されたデータから新しい画像を生成することができます。

Outlines

00:00

📸 Understanding AI Image Generation: Collages and AI's Role

The first paragraph discusses the debate over AI-generated images and their similarity to collages or illustrations, as they do not require a subject to be photographed. It explains that creating AI images from existing works is akin to creating derivative works, which may necessitate the disclosure of the source material and the user's name. The paragraph also touches on the complexity of attributing individual images when AI has learned from billions of them. It then introduces the diffusion model, which creates images from noise, and the CLIP model, which combines text and images, as methods used in AI image generation.

05:02

🎨 The Mechanism of Image Generation: Diffusion and CLIP Models

The second paragraph delves into how AI creates images using the diffusion model, which involves gradually adding random noise to an image and recording the probabilistic changes. It contrasts this with the reverse process of removing noise to restore the original image. The text also explains the use of the CLIP model for combining text and images, which involves learning the appropriate pairing of text and image embeddings to maximize their cosine similarity. The paragraph further discusses the concept of embedding vectors, which are numerical representations of concepts derived from text or images, and the use of cosine similarity to measure their closeness.

10:04

🚀 Advanced Techniques in AI Image Generation: Stable Diffusion and VAEs

The third paragraph explores advanced techniques in AI image generation, such as the use of the Stable Diffusion model to manage the high computational load and time required for learning and inference in the diffusion model. It introduces the concept of the latent diffusion model, which operates in a latent space, a mathematical representation that simplifies data features for easier visualization and feature extraction. The paragraph explains the use of Variational Autoencoders (VAEs) for transforming image data into a compact form in the latent space. It also describes the U-Net architecture, which is used for image segmentation and noise removal, and how it employs skip connections to align the segmented images. The paragraph concludes with an example of how the process of noise removal can be repeated to obtain a clear image, with a step-by-step illustration of the image refinement process.

Mindmap

Keywords

💡Stable Diffusion

Stable Diffusionは、画像生成AIの1つで、ノイズから画像を作り出す仕組みを用いています。この技術は、大量のノイズを少しずつ除去することで、最終的に欲しい画像を導き出すプロセスを通じて動作します。Stable Diffusionは、テキストと画像を組み合わせることで、ユーザーが望む画像を生成することができます。

💡ノイズ

ノイズとは、画像生成プロセスで使用されるランダム性や雑音を意味します。Stable Diffusionでは、ノイズを加える拡散過程と、ノイズを除去する逆のプロセスを用いて、最終的な画像を生成しています。ノイズの除去は、画像生成の核心であり、AIが学習するプロセスの一部です。

💡テキストと画像の組み合わせ

テキストと画像の組み合わせは、AIが特定のテキストに基づいて画像を生成する際に使用される手法です。Stable Diffusionでは、テキストを画像に変換し、そのテキストを用いて生成された画像を指示するために、クリップ技術が使用されます。

💡クリップ(CLIP)

クリップは、テキストと画像の概念を結びつけるためのAI技術です。クリップはテキストエンコーダーとイメージエンコーダーの2つのモジュールから構成されており、テキストと画像の正しいペアであれば、その埋め込みベクトルの類似度が最大化されます。これは、Stable Diffusionがテキストに基づいて画像を生成する際に重要な役割を果たします。

💡埋め込みベクトル

埋め込みベクトルは、テキストや画像を数値表現に変換したものであり、AIが理解しやすくする手段です。クリップでは、テキストの単語や画像を埋め込みベクトルに変換し、その類似度を計算して、テキストと画像の関連性を判断します。

💡コサイン類似度

コサイン類似度は、2つのベクトルの方向がどれだけ一致しているかを示す指標です。類似しているほど、その値は1に近づきます。クリップでは、テキストと画像の埋め込みベクトルのコサイン類似度を計算して、それらがどれだけ一致しているかを判断します。

💡VAE(変分オートエンコーダー)

VAEは、画像空間から潜在空間への変換を行うAIモデルです。潜在空間は、データの特徴をコンパクトで意味のある数学的表現に変換する空間です。VAEは、画像生成プロセスで使用され、画像をより扱いやすい形式に変換します。

💡ユーネット(U-Net)

ユーネットは、画像のセグメンテーションとノイズ除去を行うためのニューラルネットワークです。その形状がアルファベットのUの字のように見えることから、ユーネットと呼ばれています。Stable Diffusionでは、ユーネットを用いて、ノイズを除去し、鮮明な画像を生成しています。

💡セグメンテーション

セグメンテーションは、画像内の物体を特定し、それらを画像から分離するプロセスです。ユーネットでは、セグメンテーションを用いて画像内の物体を認識し、ノイズ除去プロセスを行っています。

💡アテンション

アテンションは、ニューラルネットワークで注目すべき領域に焦点を当てるプロセスです。ユーネットでは、アテンションを用いて、画像の特定の領域に注目し、ノイズ除去を行っています。

💡スキップ接続

スキップ接続は、ニューラルネットワークで前のレイヤーの出力を後のレイヤーに直接入力することで、位置合わせを行われる手法です。ユーネットでは、スキップ接続を用いて、ノイズ除去プロセスで画像の細部を保持しています。

Highlights

2023年8月23日に日本写真家協会が精製AI画像についての考え方を提言しました。

生成AI画像は被写体を必要とせず、イラストやコラージュと類似したものとされています。

AIで画像を作成することは、既存の著作物をもとに二次的著作物を作成する行為です。

生成AIを利用して作成した二次的著作物に対して、出店と利用者名の明示が義務づけられます。

画像生成AIは何十億枚という画像を学習し、個々の生成画像に対して出典を明示することは困難です。

ステーブルディフュージョンはノイズから画像を作り出す拡散モデルとして解説されました。

画像生成は大量のノイズの中から欲しい画像を導き出す確率的なプロセスです。

拡散モデルは、ランダムノイズを画像に少しずつ足していくことで確率的な変化を記録します。

ステーブルディフュージョンは58億枚の画像とテキストがセットになったデータセットを学習に使っています。

学習に用いられるデータセットは学術研究用にインターネット上の画像のURLを集めていますが、商用利用には問題があるとされています。

クリップはテキストと画像の概念を結びつけるためのAIであり、テキストエンコーダーとイメージエンコーダーから構成されます。

クリップはテキストと画像が正しいペアであれば、埋め込みベクトルのcos類似度が最大化されます。

ユーネットは画像のセグメンテーションを推定するためのネットワークで、ノイズ除去と画像生成に使われます。

ノイズ除去は繰り返し行われ、20ステップで鮮明な画像が完成します。

画像生成の仕組みを理解することで、AIがどのように画像を作り出すかが明らかになります。

AI画像生成は元の著作物を学習しなければ画像を生成できないという事実は変わらないが、新しい知識を合わせることで議論が進められます。

AIが学習を通じて、これまでにない画像を作り出すことができるという技術的な進歩が解説されました。